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【読みたい】『中絶技術とリプロダクティヴ・ライツ』

良くないこと、とされているがゆえに医療行為の中でもからだに負担をかけないことや誰でもアクセスできることが重視されないままである中絶技術を扱った珍しい本。ブログ「リプロな日記」を書いていらっしゃる塚原久美さんの著書です。久美さんには一度あるイベントので中絶のワークショップをされた時にお会いしました。まだ読んでいませんが、貴重な内容であることは間違いないので是非ご注目を!画像

 

出版社のwebサイトより、内容紹介を引用します。月経吸引法のことものってる!感動!

中絶技術とリプロダクティヴ・ライツ 新刊

フェミニスト倫理の視点から

中絶技術とリプロダクティヴ・ライツ

外国ではすでに「廃れた」中絶技術が、日本で今なお用いられているのはなぜなのか? 新たな視点から現代日本の〈中絶〉を問い直す。

著者、編者、訳者など 塚原 久美 著
ジャンル 社会・女性
ISBN 978-4-326-60265-0
出版年月 2014年3月
判型・ページ数 A5判・324ページ
定価 本体3,700円+税
在庫 在庫あり
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内容説明

吸引と中絶薬という安全な中絶技術が国際的な標準となるなか、日本では今も拡張掻把法が主な中絶手段とされている。こうした事態の裏には、中絶をタブーとする人々の意識の問題がある。本書では避妊と中絶を「生殖コントロール技術」と位置づけて世界と日本における実態を論じ、フェミニスト倫理の観点から女性の健康と権利を論じる。

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目次

はしがき

Ⅰ 生殖コントロールの科学と技術

第1章 胎児の可視化と妊娠の科学
1 胎児の発見
2 胎児の可視化
3 胎児生命の科学
4 妊娠の科学
5 妊娠という経験

第2章 避妊の技術とその変遷
1 避妊方法の発達
2 避妊ピルと子宮内避妊具
3 避妊ピル以降の避妊薬と緊急避妊
4 避妊方法と避妊率

第3章 中絶の技術とその変遷
1 中絶のニーズ
2 拡張掻爬術の開発と普及
3 真空吸引の開発と普及
4 月経抽出法と手動吸引
5 中絶薬の導入
6 生殖コントロール技術の発展

Ⅱ 日本における中絶の現状

第4章 生殖コントロールをめぐる日本の状況
1 日本の中絶傾向
2 日本の避妊状況
3 中絶胎児の可視化
4 改善されない日本の中絶技術
5 中絶薬をめぐる日本政府の情報操作

第5章 日本における中絶の法と政策
1 堕胎罪と儒教倫理
2 優生保護法体制
3 フェミニストの改正案
4 国連女性差別撤廃委員会と日本政府
5 学校教育と胎児中心主義

Ⅲ リプロダクションをめぐる規範と倫理

第6章 人権としてのリプロダクティヴ・ヘルス&ライツ
1 世界のリプロダクション法の動向
2 リプロダクティヴ・ヘルス&ライツの思想的源流
3 国際的女性運動とリプロダクティヴ・ライツ
4 リプロダクティヴ・ヘルスの生成と発展
5 リプロダクティヴ・ライツという概念の意義
6 リプロダクティヴ・ライツとエンタイトルメント意識
7 ライツからジャスティスへ

第7章 欧米における中絶の倫理
1 従来の欧米社会の中絶観
2 女性運動と権利としての合法的中絶
3 女性運動への反発とプロライフ運動
4 ロウ判決とノンフェミニストの中絶擁護論
5 二項対立の倫理の性差別
6 フェミニスト倫理と中絶

第8章 日本における中絶の倫理
1 堕胎罪と母性の強制
2 ウーマン・リブと避妊ピル
3 ウーマン・リブと障害者運動
4 中絶と子殺しの交錯
5 女性の自己決定権と生命倫理
6 中絶問題からリプロダクティヴ・ジャスティスへ

用語集
文献一覧
あとがき
人名索引
事項索引

 

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やはり掻爬が中心~日本の中絶方法について初の調査結果(第一報)

リプロな日記 より

日本でどのような中絶方法が用いられているかは、これまで一度も調査されたことがなかったのですが、日本の中絶で長年主に掻爬(道具で掻き出す方法)が用いられてきたことは間接的な証拠から推察できたものの、一度も立証されたことがありませんでした。

一方、世界では妊娠初期の中絶に用いる方法として掻爬と吸引法(機械/器械で吸い出す方法)の比較研究が盛んに行われた結果、1970年代頃から掻爬に代わって吸引中絶が主流になりました。さらに1990年代には薬(RU486、ミフェプリストン)を用いた中絶方法が各国に広まり、2003年にはWHOが初期中絶の方法として吸引と薬物中絶を推奨し、掻爬はこれら安全な方法が得られない場合の代替手段と位置づけられるようになりました。

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■初期中絶の方法~掻爬使用が8割超

リプロな日記 より

日本母性衛生学会に用いたグラフを少し改編して、初期中絶の主な方法として掻爬法(D&C)という外科手術が用いられている比率が一目でわかるようにしました。ご覧のとおり、単独使用、吸引との併用(先か後かで2パターン)を合わせると83%を超えています。

2003年にWHOが出した中絶方法のマニュアルでは、安全な初期中絶の方法として吸引法と中絶薬を使用した方法の2つしか挙げておらず、D&Cはこれらの安全な方法が使えない場合の次善の策に位置づけられています。