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オンライン誌:Social Medicine「社会医学研究」

このブログでもリンクしたことがあるのだけど、きちんと紹介するのは初めてになります。

誰でも自由にダウンロードできて、書き手同士が校正をする、一部誰でも投稿可能なオンライン誌「Social Medicine」というものがある。最近「健康と不平等」「医療格差」というようなタイトルの本や書き物を見かけることが多くなってきたし、「医療社会学」という学問の分野も存在しています。英語だとmedical sociologyあるいはSociology of healthと呼ばれます。
しかしSocial Medicineという言葉は「社会医学研究」と呼ぶようで、「社会学」とは違うみたい。たとえば日本の東京社会医学研究センターの紹介をみても、学問とちうより実践のための研究という意味合いがつよいようです。
その中でも「実践編」といえる特集では、このブログでも紹介したヤングローズの病院占拠の話(ここ)や最新号ではニカラグアのサンディニスタにおける「ヘルスプロモーター(保健促進者)」の役割(こちら)など社会運動と保健医療についてよく書かれている。

英語なんだけど、難しい言葉遣いはしていないので思い立った人が翻訳しても読みやすいのじゃないかと思う。自分はいまやれそうもないので、誰かが手を出してくれることを願って紹介しました。

  • Social Medicine
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    マイケル・ムーアの『シッコ』見ました。

    『シッコ』公式サイト 

    アメリカの保健医療制度といえば自分で健康保険を運営する会社にはいらなくてはいけないので(日本でいう入院保険や生命保険のような位置かもしれません)、所得が低い人は保険がなく医療にかかれないというイメージが国内外で一般的なのでしょう。映画の冒頭でその代表といえる人を出しつつも、「この映画は彼らの話じゃない」と念を押して、保険にカバーされているはずの人たちがいかに保険会社の利益のために必要な医療が受けられないかを追ったドキュメンタリー。見終わってこの意図が少しわかった気がした。保険がない人の話はもちろん悲惨で注目すべきなんだけど、そこばかり焦点をあてると現在の健康保険の質そのものが見えてこないからでしょう。保険を受けられる人たちを、「あるだけまし」とだけ描くのは問題の深さや幅広さを見失うことになる、ということだと思う。事実保険会社が「どうやって」利益を追求しているか、その詳細な戦略が暴かれた。といってもおどろくことない、その方法とは(もういいよねネタばれしても)あらゆる手段をつかって顧客に医療をうけさせないようにする、というものだ。保険会社おかかえの医師による各ケースの判断(日本の生命保険会社の調査のように。)、つまりその人がその医療を受けるのに金を出すべきかどうか(表向きはそのひとにとってその医療が必要かどうか)を決定させること。仮に必要だと判断されても、過去に病気をしたことがあってそれを会社に報告しなかったことなどを理由に却下される(ある女性はがんの手術のためにお金がおりることになっていたのに、「過去にガンジタにかかっていただろう」という手紙で保険料がおりないことになった。他にも太りすぎややせすぎといった体重での切り捨てもある)。

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    コモングラウンド診療所

    コモングランドコレクティブ について (紹介文より抜粋要約)

    背景と問題:コモングラウンドコレクティブはハリケーンカトリーナによる洪水から1週間後に設立されました。コモングラウンドはアルジェに診療所を開き、食べ物や水、その他物資等を提供等を避難不可能な数千人の低所得の住人へ提供した最初の組織です。
    このハリケーンはニューオリンズの街のほとんどを壊滅させただけでなく、低所得者やアフリカ系住民の共同体に対するへの不正義を公に曝しました。

    約275,000世帯が破壊されたと見られていて、家の清掃や修理、信頼できる住居の供給やとても遅れていました。ニューオリンズ行政区では、住民の 40%が年間$20,000以下の所得を得ていて、70%以上が1人親の家庭です。ニューオリンズの識字率はおよそ39%です。それゆえ、直ちに住民の ニーズが満たされる必要があり、同時に、長期にわたる戦略で地域を安定させることが重大な意味を持ちます。

    コモングラウンドとは:コモン グラウンドは3人のボランティアと50ドルのお金から始まりました。いまでは40人のフルタイムで活動するスタッフに、医療従事者、職人、技術者、コミュ ニティのまとめ役、コンピューターを扱う人や法律や住居の権利の推進者等やその他いろいろな種類を含む数百人のボランティアがいます。

    コモングラウンドは長い目で活動を見据えていて、歴史的に見放されてきたコミュニティがより公正で持続可能な未来のために力を合わせる場に人々が参加してくれることを願っています。

    住宅地では、カビとの接触を少なくするためにしようされる道具を洗浄するための汚染除去用地があります。使用済みの防護服や道具を捨てることで共有の生活スペースへカビを近づけないようにすることができます。

    コモングラウンド診療所の紹介:

    字幕付きビデオ

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    マイケル・ムーアの『シッコ』は何を問いかけているのか?

    個人的には元の映画をまだみてないのに話をきいちゃっていいものか悩みますが、以下のイベントが開催されるようです。

    Democracy Now! JAPAN 連続イベント

    マイケル・ムーアの『シッコ』は何を問いかけているのか?日本が追随するアメリカ型社会政策の現実を見よ!  8月に日本でも公開されたマイケル・ムーア監督の最新ドキュメンタリー映画『シッコ SiCKO』。アメリカ医療保険制度の恐ろしい実態を描いて、弱者の切捨てが横行する社会・経済制度に鋭いメスを入れ、話題になっています。映画に出てくるのは、明日の日本の姿なのでしょうか?アメリカの独立系報道番組「デモクラシー・ナウ!」がムーア監督に行なったインタビューをもとに、アメリカ的社会政策およびグローバリゼーションが行き着く果てを、ジャーナリストの斎藤貴男さんが分析します。

    日時
    2007年10月11日(木)/18:30開場19:00開演(21:00終了予定)

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    地域医療を守る空き家占拠

    イギリスにおけるサッチャー政権時代の人頭税暴動が終わった後に「このさきどうしようか」と始まったロンドンの住民運動/コミュニティ活動団体Haringey Solidarity Groupニュースレター(2006年の秋発行のもの)より地元の医療を守ろうとする動きについて記録しておきます。かつては世界一といわれたNHS(国民保健サービス)もここ数年の医療費削減による保健サービスの低下、医療提供者の首切りに見舞われています。その動きに対して当然労働組合からの抵抗や他の全国的なキャンペーンの動きはあったようですが、Stop Haringey Health Cuts Coalition (SHHCC)は地元の住民と地域の病院で働くスタッフが一緒になって保健サービスの切り崩しに待ったをかけようと作られました。


    St Ann’s病院の隣に以前看護師の寮として使用されていた建物はドラッグの売買や使用のために使われているのか注射器が散乱していた。そこで地元の活動家が建物をきれいにして庭を地元の人たちが集まるためのスペースとして生まれ変わらせようとそこを占拠してきた。

    イングランドにおいては空き家への居住は合法、持ち主が使用する予定を申し立てた場合のみ追い出しが法的に可能となる。病院側はおそらく高級マンションに立て直すためか土地を売る予定だといっているので、ここも排除の日が近づいているよう。そこに住む住民はその建物がコミュニティに貢献するかたちで使用されるまででていくつもりはなく、地元の支援も厚いという。

    haringeyhospital

    写真のように、save your hospital (あなたの病院をまもれ)、という横断幕が活動家らが居住する病院の建物にかけられている。保健サービスのカットの見直しとともに、すでに閉鎖してしまったもうひとつの地域の中央病院の再開も要求しているようです。

    10/8/2007 追記:医療サービスの確保や医療の自主管理のために占拠が使われた事例は他にもあります。 ヤングローズも病院を占拠したし(Seize the Hospital to Serve the People(PDF)ラジオドキュメンタリー)1971年のイタリアでは、空いた建物を占拠して協同組合形式の診療所が運営されたり、(The People’s Clinic: Italy, June 1971)といろいろあります。こちらのほうもそのうち書いていきたいと思います。

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    Radical Healthcare Workers (UK)

    Radical Healthcare Workers (UK)とは、UKの保健医療サービスに関わる労働者のためのネットワークづくりのためのサイトです。目的は、はたらく人の労働条件の改善と同時に、すべての人にかかわりのある保健医療サービスを守りよくしていくというもの。日本でも医療提供者による運動は行われてきていますが(といってもそんなに知りません、詳しい方教えてください)、このネットワーク構想のユニークなところは、「労働者」をプロの医療提供者に限定していないところだと思います。

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    Breast Cancer Action(乳がんキャンペーンの不良たち・ピンクリボンを考え直す)

    「この秋は、乳がん啓発のために買い物をする以外のことをしよう。」tbyphomepagegraphic.jpg

    乳がん啓発活動、研究などにおくらかお金がまわると宣伝して商品を売ろうとする企業は年々日本でも増えていると感じていますが、アメリカの Breast Cancer Actionという団体のTHINK BEFORE YOU PINKというキャンペーンでは、消費者に「いいこと」のために物を買う前に、それがいったいどういうことなのかを「考える」ことを進める。

    たとえば

    どれだけの金が乳がん啓発団体にいくのか(乳がんの団体にお金がいくべきだと思うならその商品を買うより直接寄付したらいいんじゃないか?)

    団体へ寄付されるお金と比べて、その商品のマーケティングにはどれだけお金がかかっているか? (もちろん寄付するお金よりも膨大にかかってる)

    そのような企業は乳がんが増えないように商品の開発に気をかけているか?(多くの乳がんチャリティーをしている企業は乳がんの原因となるような商品を売っている。例:BMWに試乗すると1ドルが乳がん団体へ寄付される、とか)

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